米作りを止めるという決断(その2)

自分の感情に気付く

p1130137s米作りに関する研修などは全く経験して来なかった私ですが、興味はあったので米作りを自分で始める前年の2012年に近所で有機栽培で米作りをしている方の田んぼを1年間勉強を兼ねて手伝わせてもらいました。

そして翌2013年より、見よう見まねで始めた米作りでしたが、これがどうにも自分にしっくり来ないのです。

私の農園は全農産物を「自然栽培」で生産していますので、米作りも「自然栽培」の考え方に沿って始めました。つまり肥料も農薬も除草剤も販売している育苗土(苗を育てる肥料入りの土)さえも使いませんので、1月の土の仕込み(育苗土の自作)から始まって11月の脱穀まで10ヶ月以上の田んぼ仕事が続きます。よく「米」という字を分解すると八十八になって、「お米は農家の手間が八十八もかかっているので大切に食べましょう」などと言われる事がありますが、とにかくやる事が沢山あります。またその作業が野菜作りの忙しい時期と重なるなどの理由もある事はあるのですが、そんな物理的な問題よりも、私の感情として田んぼの中に入ることや、米作りに関する作業がどれも肌に合わず楽しくなかったのです。これは米作りをとても楽しんでおられる農家さんも知り合いに沢山いるので、あくまで個人的な嗜好の問題なのですが、足場の悪い田んぼの中を歩いたり、重い米を運んだりする作業の1つ1つが私にはどれも馴染めませんでした。ただその中で1つだけ良いなと思った点は、米作りの1つの作業が終わった後の充実感と達成感は、野菜作りで得られるそれより大きい気がします。

自分の感情を認める

米作りを始めて3年目になる2015年頃から、米作りは楽しくないし自分には向いてないのではという気持ちが頭を過ぎるのですが、米作りを始めたきっかけになった「不安」や「恐怖」をベースにしたネガティブな感情のエネルギーがとても強力なため、「米作りは続けなければならない」という信念ともなってしまった大きな心の壁が邪魔をして、その裏に在る「米作りを止めたい」という自分の本当の気持ちがなかなか表に現れてきません。

この壁を破るコツは、自分の感情を認めること意外にありません。私の場合も、自分の内側と向き合って、米作りを止めるという決断(その1)に書いたような自分の感情に気付き、そしてその「不安」や「恐怖」のという感情の存在を認めることが出来ました。するとそれまで無意識に頑張って抑えていた心の蓋の必要がなくなり、すっと心が軽くなります。それと同時に自分で築いた心の壁が消えて、その裏に在った自分の本当の気持ちが見えてきました。「そうかあ、自分は米作りを止めたいんだなあ」というとても単純な気付きです。分かってしまえばこのように「なぁんだ」というような簡単な事ですが、心の壁があるとそんな簡単な事が実際はなかなか見えないものなのですね。

この時に気をつけたいのは、自分のネガティブな感情を認めたくないために、せっかく表に出てきそうになった「不安」や「恐怖」の感情を無視(見ないように)すると、更に強力な心の蓋を作ってしまうことになるので、壁は更に分厚くなり自分の本心がより影を潜めてしまいます。ぐれぐれもご注意ください。

米作りを止めるという決断(その3)に続く。

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